代表対談

筒井:「キャリア」「心理」を軸にする会社BorderLeSSを立ち上げましたが、なぜ、今「アスリートのキャリア」なのか?というと、日本で「キャリア支援」というと引退後にどのような職に就くか?という就職支援や職業紹介が多いように感じています。もちろんそれもとても大切なことです。でも、「キャリア」というのは人生そのものなので、もっと広い視点でキャリアについて考える習慣を早期からつけてもらえると良いと考えています。そうすることで、「どう生きるか」に基づいて職業を選択することにつながると思うんです。

古結:どちらかというと、「キャリア支援」というより「キャリア教育」の方が近いかもしれませんね。当社では、アスリートを目指す段階から、又はアスリートでありながら、自分自身のキャリア=人生について、考えるきっかけをいろんな視点から提供したいと考えています。

筒井:「キャリア」「心理」って目に見えないからこそ、自分としっかり向き合って考える必要があるので、まずはアスリートの皆さんにその必要性に気づいてもらうことが大切ですね。

古結:目に見えないものだからこそ、ぼんやりした不安があって取り組みにくかったり、後回しにしてしまいやすいことだと思うので、僕らメンバーと一緒に、また、受講生同士の繋がりも活かしながら仲間と共に取り組んでもらいたいですし、そのような仕組みを準備するのが我々の役目ですね。

筒井:そうですね。我々の役目として、果たすべきことはしっかり準備することが大事ですね。一方で、受講生の方の役目、受講生の方に準備してもらいたいことはどういったことがありますか?

古結:自分で自分のキャリアを考える覚悟、これは持っていてほしいですね。我々は受講生の方と一緒にキャリアを考えて、伴走したいと考えていますが、それは受講生の方の「どうなりたいか」「どうありたいか」という想い、進みたい方向があるということが大前提だと思っています。

筒井:そのためには、心理学、メンタルトレーニングでも大切だと考えられている「自分を知る」ということが大切ですね。自分がどういう人間なのか、何をしている時にどんな感情や思考になるのかを知るということですね。様々な形のキャリア支援が存在しますが、当社ではスポーツ心理学者による初回面談や心理ベース講義を設けて、アイデンティティ構築を大切にすることも特徴ですし、そのために、日々自分と対話する習慣をつけてもらいたいと考えています。

古結:自分と対話する時間をしっかり持つことから始めてもらえるよう、当社では講義だけではなく、個別面談によるサポートも充実させていきたいですよね。スポーツに一生懸命打ち込んでいる方は、スポーツ以外に自分が何をしたいのかわからない、ということもあると思います。その想いを否定せず、一緒に考えることで、視野を広く持ってもらいたい!と強く願います。そのプロセスに携わることで、我々も視野を広げられると思っています。

筒井:社名”BorderLeSS”には二つの想いを込めていますが、一つは『思い込みを”越える”』というもの。選手が「スポーツ以外に打ち込めるものが無い」と考えるのは、一つの思考の癖だと思います。無いと決めた時点で無くなってしまうものですが、「無いと決めつけている自分がいる」と、自分を客観視して捉えることができれば、視野を広げる一歩になると思います。 また、選手だけではなく、指導者や保護者の皆様が、「現役中は競技以外のことを考えるべきではない」と考えるのも一つの思考の癖と言えるでしょう。人としてのキャリアのなかに、選手としてのキャリアもあると包括的に捉える『デュアルキャリア』の考え方は、競技生活を中心におきながらも、他の時間で様々な経験をすることで相乗効果を生むと言われています。私も最近はデュアルキャリアをテーマに研究し、デュアルキャリアでストレス対処力が高まる傾向を発見しました。

古結:包括的にキャリアを考える視点を持って、スポーツとそれ以外の両方で達成したい目標を持つことも大切だと思います。難しく感じるかもしれませんが、今はスポーツにかける時間を重視、今は他にかける時間を増やすといった形で、ゴールから逆算して今やるべきことに落とし込む作業を、共に取り組んでいきたいですね。簡単に目標が見つからないこともあると思いますが、それも一つの「現時点での答え」として、自分が「どうなりたいか」「どうありたいか」を考え続けることの大切さをお伝えしたいですね。

筒井:そうですね。我々と受講生の協働作業ですよね。社名”BorderLeSS”に込めたもう一つの想いは、『専門家の境界を“越える”』ことなんですよね。多領域の専門家と協働することで良いものを創出できると考え、一つの講座も多領域のメンバーが講師になったり、アドバイザーを務めることが特徴になっていますね。選手もその競技の専門家なので、それぞれの専門性を掛け合わせて、良いキャリアをデザインしていきたいと思います。

古結:私たちは、今までにない最高のサポートを届けたいと思っています。みなさんならではのキャリアの階段を登って、豊かな人生を創るために、BorderLeSSで共に学びしょう!

筒井:スポーツも人生も、予期せぬことは起こるものですが、そこで様々な感情が動くこと、それが人間らしさであり、一生懸命に生きているという証だと思います。感情をエネルギーに変えて、自分の力を発揮できる『しなやかなメンタル』づくりのための時間を、BorderLeSSで共に過ごしましょう!